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2020/11/10 07:58
インド発祥の絣
ミャンマーを経由しタイへ
絹絣のマットミーをご紹介します。

タイ国東北地方の県には 何世紀にもわたって その手法が脈々と続いている素敵な織物があります。それは「マットミー(mudmee silk)」として知られています。英語ではイカット(ikat)と訳されます。
マットミーの特徴は 一種独特な色合い、独創的なデザイン と 何とも言えない模様です。マットミーの伝統的な色は それぞれの地方で若干の差はありますが 基本的には 黒、赤、茶そして黄色です。マットミーは マシーンは使わず 人の手で織り上げますので 工業(生産)ではなく「工芸」の範疇に属しますので ひとつとして 同じ物はありません。 じっくり見ないと 一見 同じに見えますが 糸の状況 染めの状態 微妙に違う模様等 同じマットミーは存在しません。
絹を生産する多くの国では 色々な手法で「かすり」(ikat)を織り上げています。 でも 染めの仕方と織りこむ模様が それぞれ違います。タイのマットミーは 多種多様な染めの過程を経て織り上げられます。 織ろうとする布の色と模様をイメージして そのイメージに沿って 糸を括り 染めていきます。
経糸(たていと)か緯糸(よこいと)時には両方もありますが 糸の必要な部分だけを染め上げます。布の幅と同じ長さの木枠で糸を整経してから マットミーの模様を織るのに必要な本数の糸を ラックミーと呼ばれる木枠に張りを調節して取り付けます。
そして バナナの乾いた葉あるいはビニール紐で一つ一つ糸を括っていきます。括った部分は染める時に染料が沁み込みません。しかし 染まった部分と染まなかった部分の際/境には 微妙な「にじみ」が出来ます。この括り作業で マットミーの模様ができます。括って染めた後 一旦 括りを解いて乾燥します。数種の色を使用する場合は 括って=染めて=乾燥する この作業を何回も繰り返します。この作業が完了すると 織りこんで行く糸の順序を保って糸枠に巻きつけます。ここでの失敗は全てを台無しにしてしまいます。
マットミーの模様は 一般的には 自然界に由来しています。 何世代も受け継がれてきている花とか動物が織り込まれます。 でも 文献として残されなかったことから 昔は存在した多くの模様が今は消えてしまった物も数多くあります。 同じ色と模様で濃淡を変えることもありますが 色々な模様パターンを体で覚えています。 単純なものは三色か四色しか使いませんが 高級なものは八色か十色も使用します。
http://fmac.my.coocan.jp/mudmee_guide1.htm
参照しました。